子供を叱るという事について
子供を叱るというのは、確かにその場で言う事を聞かせるのには、手っ取り早いです。しかしその事によって「子供が悪い事をした時、それを隠すようになる・嘘をつくようになる」また「親よりも体が大きくなった時に、まったく言う事を聞かなくなる」「逆に親に暴力をふるうようになる」「自分よりも力が無い人間に対して世の中のルールを守らない行動を起こす」という弊害がある、という事も憶えておかなくてはいけません。
特に、きちんと理由を納得させずに、感情だけで勢いで言う事を聞かせる事を何度も行っていると、子供はそうなります。
《子供を叱る基準を明確にする》
そう言った事を防ぐために、まず「それが本当に怒るべき事なのか?」を考えてから叱るようにします。(意外にそうでもない事の方が多いです。)
その事をふまえて、紙などに「子供が何をした時に叱ると良いのか?」を書き出すと良いです。
そして一度決めたら、それを守るようにします。
それから日々、自分の心に問います。
「その時の、自分の気分の状態によって基準を上下させてはいないだろうか?」
もし叱る基準を超えた行動を子供がしたとしても、それがまだ”分かる年齢”になっていない場合は叱ってはいけません。(ただ、その行動を起こさないように止めてあげるだけで良いのです。)
《叱る時の決まり》
・叱る時間は1分以内。
・以前やった事を持ち出さない。(今回した行動のみを叱るようにします。)←これは夫婦喧嘩の時にも使えます!
・子供の「行動」を叱るようにします。(子供自身を叱らない!)
・叱る時は「危険な事をした時」「人を傷つけた時」「人に迷惑をかけた時」の3つが基準です。
《子供を叱る時のコツ》
1、子供に近づいて叱ります。
2、目と目を合わせて叱ります。(しゃがめる時はしゃがんで)
3、叱る言葉は「出来る限り短く」「その事だけ」「きちんと駄目な理由を言う」「”~は駄目”ではなく”~してね。”」と言うようにします。
4、怒りの感情は入れないようにします。(怒るのではなく“叱る”のです。)
5、その時の自分の感情を子供に伝えます。(「~くんがそんな事したら、お母さん悲しいな。」など。これは結構、子供に対して効きますよ~。)
6、悪い事をしそうになった時点で止めるようにします。
(なるべく”させる前”に止めます。)
止め方は、「その時の子供の意識の矛先を変えるようにする」のが最も良いですね。
7、時には、我慢できずにキレ過ぎてしまっても、オッケー。ただこの場合、後で場所を変えてフォローをするようにします。
8、一方的に親の言う事を聞かせるだけでなく、時には「どっちがいい?」と、子供に選ばせます。
9、人間は声の出し方によって、受ける印象がまったく変わります。ですので、小さな声で低めで声を出すと、一番恐い声になります。(怖がらせようと思ったらこれ!)
10、「当てる」と「掘る」の声かけ法、を使います。
ボールを相手に当てるように叱る声を出すと、反発を受けやすいです。しかし下から掘るように声を出すと、一拍置かれるので、反省する時間ができます。(一度、旦那さんと練習してみると良いですよ。)
《怒るのではなく説教をする》
子供が何か悪い事をした時は”怒る”のではなく”説教”をする。感情を入れてしまってはいけない。
《愛とほんのちょっとの厳しさ》
子育ては「愛の上にちょっぴり厳しさ」があると良いです。
(全然叱らないお母さんでも、“ここぞ”という時にきちんと厳しく叱っています。)
《母親が口数多く、叱って育てると》
命令語・禁止語・否定語が多いと、子供の自立心を奪い、自分で考えようとしなくなります。
子供が描く「セルフイメージ」(自分が“どんな人間なのか?”という認識。これによって人は日々の行動を決定して行きます。)は親が自分に対して言う言葉によって作られます。
(否定的なことばかり言うと、そういう子どもになってしまうのです。)
できなくて当たり前。1つできたらすごい!と褒めるようにしましょう。
《子供が電車の中などで騒いでしまう場合は?》
社会のルールを教えるには、まず家の中でのルールを作り、それをしっかり覚えさせるようにします。
(人に迷惑をかけない、自分でするべき事はしっかり自分でやる、人を傷つけない)など。