< 糖尿病は血管ボロボロ病 >
昨年の5月から糖尿病の基準値が改められ、空腹時の血糖値が126mg/dl以上を糖尿病とみなすことになりました。
しかし、この値ではまだ糖は尿に出ないので、「糖尿病」という言葉は実体のない幽霊のようなものになってしまいます。
にもかかわらず、なぜこうした実体の無い数値が設定されたかと言うと、文字どおりの糖尿病(160mg/dl以上)になってからでは治療は遅すぎるためです。この病気はさまざまな合併症が発症しやすいので大変危険です。そのためにより厳しい基準値になったわけです。
生活習慣病の中で、高血圧症とともに糖尿病は激増しています。
現在40歳以上の10人に1人は糖尿病といわれており、1997年の糖尿病 実態調査(この時点の基準値は140mg/dl以上)によると、糖尿病が強く疑われる人の総数は690万人、またその可能性を否定できない人を含めると
1370万人にのぼっています。
そのうえ「糖尿病である」と認定される基準の値が下方修正されたわけですから、患者さんの数がこの数字以上になることは間違いありません。
また、この糖尿病の分類は新しく2軸方式になり、従来のインスリン依存型を『1型』、非インスリン依存型を『2型』とし、その他の特定の機序や疾患でおこるものを『妊娠糖尿病』として定められることになりました。
日本では2型の患者さんが圧倒的に多いのですが、この2型は、遺伝的素因も関係しているものの、食習慣、運動習慣、嗜好や休息など生活習慣(後天的原因)そのものが原因でおこることは周知のことです。しかし、初期にはほとんど無症候であるため、長年にわたって血糖値が高いままにしておく患者さんも少なくはないのです。
結果、気づいたころには血管はボロボロになっており、糖尿病症の恐い合併症を引き起こしていきます。(5〜6年で神経障害が、7〜10年で失明などにつながる網膜症が、
15年で腎症=人工透析が現れるといわれております。)
このように恐ろしい病気にもかかわらず、初期の状態では患者さんに自覚症状が現れないため、気付いた時にはかなり進行してしまっていることが多いのです。
これが糖尿病 の恐いところです。
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