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健康コラム  

  【No.14】
鍼の治療について

06/06/10UP

鍼の治療はどのようにして人を治しているの?

 東洋医学では全身の経絡(けいらく)には気・血・水(き・けつ・すい)がめぐっており、それがとどこおった状態が「病(やまい)」と考えます。そして身体の気、血、水の調和がとれている状態を健康と考えています。患者さんが痛みや凝りなど何らかの症状がある場合にはこのバランスが取れていない状態であるとして、鍼や指でツボに対して何らかの刺激を与えて整えることによって治療を行うのです。このバランスの取れていない状態は生命エネルギー(気)が足りなくて病気になっている「虚」と、逆に多すぎて悪い気(邪気)が増えすぎておかしくなった状態の「実」の2つに分けられます。
「虚」の場合には足りなくなっている生命エネルギー(気)を与えるようにツボに刺激を加え、「実」の時にはあり余って“邪気”になっている悪い気を取り去るような刺激をツボに加えて治すわけですね。(これによって身体の調和がはかられ、結果として苦痛が取り除かれるのです。)これが大まかな東洋医学での鍼治療の理論になります。また西洋医学の観点から鍼治療を考察してみると、大きく分けて大体次の3つになります。

1、 鍼を打つと人の体は血管の拡張により血流の改善が起こり、筋肉の収縮が緩和されます。そして凝りが緩むとその筋肉により圧迫されていた神経、血管が圧迫より解放され、正常な働きをするようになります。これにより運動障害、痛み、しびれ、冷え等に対して効果が期待できるわけです。
2、 また白血球・リンパ球が活性化して副腎皮質ホルモンの増加・分泌を促し免疫能力がアップします。(病気の予防)
3、 自律神経が調整されホルモンの分泌も良くなる。


ツボに鍼を打つとなぜ効くか?

 なぜ鍼をツボに打つのかと言うと、身体内部に異常が生じますと、それと関係するツボ(経穴)に異常反応(主にこりが多い、その他にも押して痛みがあったり、異常にくすぐったい部分が出てくる)が現れます。そのツボに針を刺し、刺激を与えますと、自律神経(つまり交感神経と副交感神経)を介して、生理機能が調整されます。結果として自然治癒力(自分自身の中に本来持っている健康になろうとする力)が高まり、不快な諸症状が改善されてきます。またツボの部位には神経の末端組織が密集して存在していることが多いのです。よってその他の場所よりも神経が反応を起こしやすいために、より効果があるわけです。針治療による身体の反応性はツボ以外にさした場合のコントロ−ルと比較検討した結果などをみると大きな違いがあります。(ここで気を付けたいのは、“ツボ”は全員が同じような固定された位置にあるのではなく、人によってそれぞれ微妙に位置が違う、という事です。ここを上手に行うのがプロという訳です。)


なぜ鍼を打つと痛みが軽くなるの?

 なぜ鍼を打つと痛みが軽くなるのかといいますと、私たちの体には、鎮痛の作用があるモルヒネと同じような効果を持つ脳内物質であるエンドルフィンがあります。鍼を打つことによって神経を介して、この内因性モルヒネであるエンドルフィンが増加するのです。そのために痛みが軽くなると考えられています。
また本当に“針治療は痛みを抑える効果があるのか”を確かめる実験として、ある科学者が坐骨神経痛を持つ患者さんの血中のセロトニン(発痛物質)の値を鍼を打つ前と打った後で測定しました。 その結果、血中のセロトニン(発痛物質)の値は見事に低下しており、これにより鍼治療は坐骨神経などの痛みに対して鎮痛効果があることが証明されたのです。


鍼を打つと眠くなったり、リラックスできるのはなぜですか?

 体の異常な反応を起こしている場所(ツボ)に鍼を打つと体表の知覚神経を介して刺激が伝わり、神経の反射が起こって自律神経が調整されます。それまで緊張を表す交感神経が優位だったのが抑制され、次第に眠るときやリラックスしているときに働く、副交感神経が優位になってきます。このことによって眠くなるのです。また副交感神経は、心臓や消化器官、血液循環、などが潤滑に働くように指令をだしてくれています。よって全身の血行も良くなり体が温かくなって、ちょうど温泉に行ったときのようなポワーンとしたような気持ちの良い状態になるわけです。

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